みなさん、こんにちは。
いかがお過ごしですか。
みなさんは、いくつくらいの保険に加入しているでしょうか?
生命保険、火災保険、地震保険、自動車保険、スマホの無料修理保険などなど。
かくいう私も指では数えきれない数の保険に入っていると思われます(正確には分かっていない(^^;)
保険に入らないと、、、
突然ですが、このような体験をしたことがありませんか?
・リスクを想定されると、保険に加入したくなったことがありませんか?
・もしもこうなったら…と不安になり、保険に加入してしまったことがありませんか?
・上記の画像を見ると、自動車保険に入らないと!と思いませんか?
人は危険やリスクを回避しようとします。保険販売する営業マンは言葉を巧みにもしものリスクや危険を提示し加入を促します。
危険やリスクが頭に浮かぶと、人は安全を見つけ出そうとします。もしもの危険性を回避するために保険加入しようとします。
ある心理学が利用されており、あまり意味のない保険加入などをしてしまう原因にもなることがあります。
さて、今回は、この心理学について詳しく解説し、具体的な応用までご紹介していきますよ!
誇張された予想バイアスとは?
誇張された予想バイアスは、極端な想定が現実に発生すると考えてしまう心理です。
災害リスクを誇張して顧客や伝え保険契約などを獲得することで用いられることが多いようです。
人は自分に起こりえる可能性の高い危険やリスクを知ると、それから逃れるために「安全を確保するために」保険などに加入してしまう心理が働きます。
未来に起こる可能性の高いと(思われる)リスクに対して安全を追求するからです。
日本全国の火災件数
みなさんは、日本全国の火災件数をご存知でしょうか?
消防庁の統計によりますと、平成30年の総出火件数は約3.7万件です。
一方、日本の総住宅数は5759万戸です。
よって1年間で火事になる可能性は
3.7万件/5759万戸 = 0.06%
になります。
しかも、出火の原因は
1位 たばこ(3,414件)
2位 たき火(3,095件)
3位 こんろ(2,852件)
です。
ですから、たばこもたき火もやらないという人は、
火災にあう確率はもっと低くて0.05%程度です。
非常に低い数値です。
もちろん「安心を買う」という意味もあるので、なんとも言えません。
しかし、こんな低い確率のために、何十万もする火災保険に加入するのはどうなのかという気がします(保険屋さんごめんなさい)。
※こんなことを書きながら、私も自宅は長期間の火災保険に加入しています。高額なお金を払っています。
心配の種はつきない
みなさんは、古典的なビジネス書「道は開ける」(デール・カーネギー著)をご存知でしょうか?
このブログでも以前ご紹介しました。
人はだれでも持ち合わせる「心配」というものの解消法を紹介している本です。
この本の第8章で保険の話がでてきます。
世界でもっとも著名な保険会社「ロイド船舶協会」は、稀にしかおきない出来事を気に病む人間の性質を利用して莫大な富を築き上げました。
「ロイド船舶協会」は、1760年の設立です。
この会社は、靴や船舶などの一般人が想像するほど起きない災難に対して、平均の法則(物事の実際の発生確率は低いという法則)を利用して保険を引き受けることで大きくなりました。
現在もロイド船舶協会はあります。
また、本の中でいくつかの物語(事例)が紹介されています。
まずは、ハーバート・サリンジャー夫人という人の話です。
この女性、外見は落ち着いた物静かな女性なのですが、実は過度の心配性で11年間も苦しんだあげく、最初の結婚は不幸な結果に終わったそうです。
彼女は、買い物をしている時に家が火事になっていないかと心配になり急いで帰ったとか、子供が自転車で遊んでいると車にはねられたのだろうかと不安になりいてもたってもいられなくなったそうです。
しかし、2度目の夫は弁護士で、彼女がいらだちはじめると「平均の法則を使って、実現性があるかないかを調べてみよう」と言ってくれたそうです。
そして、実際に数字を調べると、発生する確率は思っていた以上に低いことが分かり、彼女は冷静さをとりもどしたということでした。
また、ニューヨーク州知事を4期つとめたのアル・スミス(1874〜1944)の話もあります。
彼は政治家ですが、ライバルの攻撃に対して、「記録を調べてみましょう、記録にあたりましょう」と繰り返し言っていたそうです。
そして、記録にあたると実際の数字は、皆が思っているよりもはるかに少なく、政敵の攻撃をかわしていったそうです。
話は飛びますが、アル・スミスは実業家としても有能でのエンパイヤステートビルを建築ししました。
心配や悩みの種というものは、誇張された予想バイアスで、実際よりも多く発生するように感じてしまうということです。
上級国民叩き
2019年4月、池袋で当時87歳の男性が運転する車が暴走して、幼い子供とその母親の2人が死亡、9人が重軽症を負った事故です。
みなさんも記憶に新しいことかと思います。
この事故で車を運転していた男性は、当時87歳の高齢者でした。元通産省のキャリア官僚で、退官後は業界団体の諧調や大手機会メーカーの副社長などを務めたエリート中のエリートでした。
この男性ですが、事故後すぐに警察に逮捕されなかったため、「上級国民は逮捕されない」という憶測が広まり、「上級国民ならば何をしてもよいのでは?」ということから「上級国民叩き」が全国で巻き起こりました。
また、タイミング悪く、この事故の2日後に別の高齢者により交通死亡事故が発生しましたが、この高齢者は事故後逮捕されたことより、「上級国民叩き」は一層拍車がかかりました。
池袋暴走事故に対する警視庁の発表では、加害者の男性も骨折をして病院に入院したため「身柄拘束・取り調べに耐えられない」と言う理由から逮捕を見送り容態の回復を待ったそうです。
警視庁の判断が庶民に受け入れられるかどうかは別として、人は事実よりも先に、いろいろなことを憶測して、その憶測により行動するものなのです。
この「上級国民叩き」も誇張された確証バイアスの一種です。
冷静に判断が必要
人間であるかぎり、誇張された予想バイアスの影響からは逃れられません。
しかし、逃れらないならば、逃れられないなりに考えて行動するようにしましょう。
「道は開ける」で紹介したように、何かを判断する前に「記録を調べる」というのも一つの方法です。
記録を調べれば、冷静な判断につながっていきます。
みなさん心がけましょう!
・誇張された予想バイアスの影響で極端な想定が現実に発生すると考えてしまう
・平均の法則からは悪いことが実現する可能性は案外低い
・一度冷静になって数字をあたって見る価値はある