これを書いている2021年9月24日現在、プロ野球はパリーグがロッテが首位で2位オリックスと2.5ゲーム差、セリーグはヤクルトと阪神が同一首位と接戦になっています。
クライマックスシリーズもあるので、日本シリーズの対戦はどのチームとどのチームになるのか、全く予測できません。
ワクワク、どきどきしますよね!
ワクワク、ドキドキのない日本シリーズ
日本シリーズになると、2020年はソフトバンク対巨人でソフトバンクの4連勝であっというまに終わってしましました。
2019年もソフトバンクの4連勝。
ソフトバンクが強いといえばそれまででしたが、巨人にはもう少し頑張って欲しかったですね。
私はプロ野球が子供のころから好きで、特に日本シリーズは毎年ワクワク、ドキドキしながら見ていたものです。
ずいぶん前になりますが、1983年の日本シリーズの西武対巨人。
最終的には4勝3敗で西武が優勝したのですが、2勝3敗で迎えた第6戦は西武のサヨナラ勝ち、
第7戦は西武の逆転勝ちということで野球の醍醐味を十二分に味わえました。
しかし、最近はそのワクワク、ドキドキ感が全くありません。
ワクワク、ドキドキ感がない理由はいろいろあると思います。
そのひとつが、日本シリーズは最近の10年はパリーグの9勝1敗とパリーグが圧勝しており、パリーグとセリーグはどうもパリーグのチームの方が近年は強いようです。
人はワクワク、ドキドキ感にはまりやすい
さて、前置きが長くなってしまいましたが、「人はワクワク、ドキドキ感がるものにはまりやすい」という傾向があります。
有名なスキナーの実験というものがあります。
スキナーはアメリカの心理学者ですが、レバーを押すとエサがでる箱=スキナーボックスでネズミの行動心理の実験をしました。
①レバーを押し下げに関係なく、一定時間間隔でエサが出る=固定間隔スケジュール
②レバーを押し下げに関係なく、不定期間隔でエサが出る=変動間隔スケジュール
③レバーを押すと、必ずエサが出る=固定比率スケジュール
④レバーを押すと、不確実にエサが出る=変動比率スケジュール
スキナーの実験結果からは
④ → ③ → ② → ①
の順でレバーを押し下げる順番が減少したそうです。
ここで一番注目すべきは④ → ③の順序で、ねずみは確実にエサがでるよりも、不確実にエサが出る方が、レバーを押すということです。
④を変動比率スケジュールといいます。
変動比率スケジュール好きは、ねずみだけでなく人間にもあてはまります。
もっともわかりやすいのは、パチンコやスロットなどのギャンブルです。
出るかでないか分からない、いや、営業しているお店の儲けを冷静に考えれば、出ない方の確率が高いのは明らかです。
それなのに、多くの人がギャンブルにはまっています。
また、数年前に社会問題になったコンプガチャなども同じ行動心理です。
どのくらい当たるのかわからない、引いていれば確実に当たる保証すらもありません。
でも、人は魅力を感じるのです。
ソーシャルメディアの魅力
ツイッターやFaceBookなどソーシャルメディアにも同様な魅力があります。
ソーシャルメディアはお金や特定の商品をもらえるわけではありません。
でも、人々は魅力を感じます。
その魅力とは、思いがけず投稿にたくさんの「いいね」が貰えたり、時には投稿がバズったりすることにあるようです。
また、予想しない人と友達になれ、会話ができる魅力もあります。
どのくらい「いいね」がもらえるか、バズるかどうか、は予測が不可能です。
また、どんな人と友だちに(つながる)かも予測できません。
予測できないことこそがソーシャルメディアの魅力なのです。
ドラクエやファイナルファンタジーなどのロールプレイングゲームも同様です。
人は「いいね」の数、投稿のバズり、リプライのチェックをするために、ついついソーシャルメディアを開いてしまうのです。
ソーシャルメディアも変動比率スケジュールで動いているものの一つなのです。
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さて、冒頭の日本シリーズの話。
ここ10年はパリーグの9勝1敗とパリーグが圧勝しているのが、ワクワク、ドキドキ感がない理由です。
その理由の一つがDH制と言われています。
セリーグのピッチャーは9人に一人はバッティングの練習をあまりしない投手をバッターとして迎えます。
しかし、パリーグのピッチャーは9人ともバッティングの練習をしている野手を相手にしています。しかも、投手の代わりに相手にするのは、バッターボックスでしか活躍のチャンスを与えられていないDHのバッターです。
その差は大ですよね。
パリーグのピッチャーは厳しい環境で鍛えられで、自ずと投球技術が向上するということだそうです。
セリーグは何か手段を講じないと、このまま差が開くばかりです。
今年はどうなるのでしょうか?
・人はワクワク、ドキドキ感がるものにはまりやすい
・スキナーの実験で、確実よりも変動するものを好むことが明らかになっている
・変動比率スケジュールが魅力の源泉
・予測できないことこそがソーシャルメディアの魅力